詩跡名 東湖
別称  
地理 福建省泉州市
代表作 王十朋「東湖小飲」
訪問日 2010.9
関連語
その他  
説明  東湖…泉州東湖。泉州市の東郊にあり、七星湖ともいう。かつて泉州最大の湖水であり、現在、東湖公園となる。唐の貞元9年(793)、泉州刺史の席相は、ここで宴を開き、欧陽詹(おうようせん)ら8人が科挙を受験するために長安に赴くのを見送った。詹は進士科第2位となり、韓愈とともに及第した(龍虎榜)。欧陽詹の「泉州の二公亭記」には、風景の美しさを

之を含むに澄湖万頃を以てし
之に揖
(ゆう)する(会釈する)に危峰千嶺を以てす


とたたえる。二公亭は東湖中の小島にあった。

 唐の貞元年間、泉州刺史の席相と貞元8年
(792)直言のために泉州別駕に左遷されていた(もと宰相の)姜公輔(きょうこうほ)

「奇(く)しき阜(やま)を得て、二公 亭を建て、郡の人 之に名づく」(『方輿勝覧』巻12、泉州)

という。

 南宋・黄公度の詩「陳晋江 壬戌四月上澣
(じようかん)(上旬の休息日)を以て同僚を二公亭に宴す」には、

百年の遺址 郊坰
(こうけい)(郊外)に俯(ふ)
十里の蒼波 古亭を帯ぶ


という。

 南宋時代、二度にわたって湖水の整備が進み、蓮の花の名所となった。南宋・王十朋「東湖小飲」詩に、

湖光 我が眼を照らし
荷香
(かこう)(蓮の花の香り)我が襟(胸懐)を清らかにす


と歌い、「東湖」詩も伝わる。宋・曹勛
(そうくん)の詩「李漢老参政の 重陽の前に泉州の東湖に遊ぶに次韻す」にも、神秘的な美しさを

郊亭十里 風漪(ふうい)(風に生じたさざなみ)を繞(めぐ)らし
一鑑
(いつかん)(一枚の鏡のごとき湖面)の光は涵(ひた)す 万象の微なるを


と歌う。明・荘一俊「東湖に過(よぎ)れば蓮花猶お開く」詩には、季節の歩みの異同を

客は驚く 落葉 城中に下るに
人は荷
(はす)の花に在りて 水上に行く


と歌っている。
(植木 久行)

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